日刊映画日記

赤宮です。楽しく映画を語ります。ネタバレは少なめ。

スパイダーマン・ホームカミング/Spider-Man: Homecoming(2017年)

スパイダーマン・ホームカミング/Spider-Man: Homecoming(2017年)監督:ジョン・ワッツ

f:id:spinthemashroom:20170923112954j:plain


映画『スパイダーマン:ホームカミング』 特報

 

主人公、つまりスパイダーマンであるピーターは、前作「シビル・ウォー」での活躍を評価され、アイアンマンことトニー・スタークから最新式のスーツを与えられた。アヴェンジャーズへの加入を熱望するピーターであったが、トニーからヒーローとしてのミッションが与えられるわけでもない。ごく普通の高校生としての日常に退屈を覚えつつ、放課後に街の頼れるヒーローとして華々しく活動することで、有り余るパワーを持て余していた。

そんなある日、街中でATM強盗を働く集団を発見したピーター。ヒーローとしての自分にふさわしい仕事を発見し、すかさず現場に向かうが、強盗団は謎のハイテク兵器を駆使し、ピーターを圧倒する。ピーターは懸命に闘うものの、強盗団の1人が持っていたレーザーガンが店舗外に暴発。レーザーの一部は、ピーターの顔なじみである食料品店にも直撃してしまった。そして、暴発による混乱の最中、ピーターは強盗団を取り逃がしてしまう。

ピーターは単独でハイテク兵器を持つ敵組織を追い、その過程で失敗を重ね、なかなか成果を挙げることが出来ない。そして、遂には多くの人命を危機に晒すことになってしまい、それを問題視したトニーからスーツを没収されてしまう。ごく普通の高校生活に戻ろうとするピーター、しかし、そこに思いもよらない展開が待ち受けていた。…

 

 

 

アメリカ人は、男女を問わずアメコミヒーローが好きだ。本当に好きだ。ジムでベンチプレスに取り組む人びとに理想像を聞くと「ハルク」と返ってくるし、道を歩いていてアイアンマンやスパイダーマンのTシャツを着ている人びとも多い。文化として「ヒーロー」が存在しているのだろう。

ヒーローといえば戦隊モノ、あるいは仮面ライダーで育ってきた赤宮としては、いかに「力 is パワー」といったアメリカ的ヒーロー観に馴染む自信がなかった。とはいえ、せっかくのアメリカである。どうせなら現地で映画館でアメコミヒーローを見てみたい。そう思って足を運んだのが、「スパイダーマン・ホームカミング」である。

結論からいうと、最高だった。アメリカ人はとにかく大声を上げて映画を見る。大の大人が本気で「Spidermaaaaaaaannnn!!!!!!!」と叫んでいる。日本でも女児向けヒーローを大声あげて応援する人びとがいると聞くが、それの元祖がアメコミヒーローファンなのかもしれないと感じさせられた。最初こそ「おいおい…」と思っていた赤宮も、気がつけば手に汗を握って敵との攻防を見守っている。クライマックスともなれば、主人公がヒーローとして成長し、敵と激しい戦いを繰り広げる場面に、フィクションと分かっていながらもワクワクさせられる自分に気づいた。

 

話の展開はいわゆる王道学園ヒーローもので、取り立てて言うべきところもない。ただ、主人公の周りの同級生たちのキャラがとにかく良い。ひょんなことからピーターの秘密を知ってしまい、ギーグらしくプログラミング技術でスパイダーマン活動を助けるネッドや、不思議系少女で中指を立てる姿が印象的なミシェル。こういった作品で必ず現れるいじめっ子ユージーンを演ずるのはなんとトニー・レヴォロリ(『グランド・ブタペスト・ホテル』ロビーボーイ・ゼロ役)。この辺りのキャラが良すぎて肝心のヒロインが全く目立っていないのだが、彼女は彼女で、シナリオ的にかなり重要な役どころが与えられている。

主人公の成長や大人との衝突、そこからの成長など、ヒーローものに必要な要素が揃った映画だと思う。なにより見ていて楽しい。ハリウッドの壮大な映画は、毎日見るぶんには少々つかれるが、こうして時たま見ると凄く楽しいということを学んだ。

続編の製作も既に決定しているそうなので、楽しみに待とう。

 

f:id:spinthemashroom:20170923112600j:plain

(あの可愛かったロビーボーイがこんなに生意気な顔するなんて)

 2017/9/22